人間失格〜太宰治

ここらで気分を変えて小説にいってみようと思います。純文学は夏目漱石以外はあまり読んだことがなかったので、初めて太宰治に挑戦してみました。(そうそう、「走れメロス」は以前読みましたから2冊目ですね。)

人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))

人間失格 (新潮文庫 (た-2-5))


太宰の遺作となった「人間失格」。読み手にとってそのインパクトと先入観は読む前から十分すぎるほど形成されており、本人の自叙伝的小説である本編に、より深みを与えています。人間の底流とはなにか、人間の本質の不可解さ、その恐怖、逃避願望、真実の愛とその喜び、などを惜しげもなく訴えかけてきます。そしてそれは(僕も含めて)誰でも持っている人間に対する恐怖心や不信、吹けば飛ぶような自尊心と自堕落さを改めて理解させてくれる・・。やはり太宰は凄かった!