せつない話

今日顧問先に訪問したときにその会社の担当銀行員さんが来られていた。
その方とお会いするのは初めてだった。私との話をつなごうとされたのか以下のようなやりとりになった。
行員さん(以下A) 「僕、税理士って憧れの職業なんですよ。」
私(以下B) 「そうですか・・・。」
A 「消費税法だけ勉強したんですけど・・。」
B 「どうでした?」
A 「覚える量がハンパじゃなくてとても無理でした。」
B 「そうでしょうね。でも税理士って資格をとってからの方が大変ですよ。」
お客様の社長 「税理士になりたいんやったら、銀行辞めて載本先生とこで働いたらええやんか。」(一同微妙に笑)

銀行の行員さんは仕事柄多くの資格を取得していかなければならない。またその勉強の範囲も際限ないといっていいぐらいある。
税理士との接点は非常に多く、試算表や決算書、申告書内容の問い合わせから融資実行に向けての相談、たまには協同してさまざまな方策を練る場合もある。
金融のプロはやはり数字のプロでもある。ある程度の決算書等を読みとく力は必須ともいえる。

そこで自然な流れとして銀行員から「税理士志望者」が出現する。
事実、金融機関(銀行に限らず証券業界などを含め)を退社され税理士に転身する方は多数おられる。

そこで私の正直な感想であるが・・・
・税理士試験の難易度が上って、よほど努力しないと仕事しながら合格は無理ですよ。
・がんばれる人は金融機関でがんばって出世をめざした方がいいですよ。
 →多分これは間違いないと思う
・運良く税理士になったところでその後の独立はホントに競争が厳しいですよ。
・結局膨大な時間の浪費になりかねませんよ。

なんてことを考えてちょっとせつなくなった。