せつない話2

 今日、とある新規のお客様のご自宅へ訪問した。
 そこでいろいろと自己紹介をした上で今お付き合いされている税理士先生及び担当者のお話があり「独立」のお話に流れていった。 
私「その担当の方も独立したいのでしょうが、会計事務所の独立は以前より格段に難しくなっています。」

「まず現在の年収がいくらあるか分かりませんが、それを捨てることになります。」

「その上で借金をして、その借金したお金が3ヶ月で無くなる惨めさ(これは私の実体験)を受け入れる覚悟が必要です。」

「税理士も人数が年々増えており、クライアント数は固定されていますから同じパイの取り合いです。」

「顧問料相場も下落傾向であり競争は激化する一方です。」

「その方は結婚が先といわれているようですが、結婚後はなおさらプレッシャーがかかり独立は困難でしょう。」

「いずれにしても40歳が一つの区切りでしょうね。」

なんてことを話していたら少しせつなくなった。

独立して10年、当時同僚だった吉田先生と一緒にゼロから独立し、勤務していた会計事務所のボスとは喧嘩別れになってしまったが、よくここまできたもんだと思う。今でもその事務所での実務経験が生かされているので感謝している。
ただこれだけははっきり言える。喧嘩別れになろうとも、根性出してあの事務所から出て行って本当によかった。
試験合格→独立→結婚という私のパターンが良かったかどうかは分からない。でも今の現状やお客様、吉田先生はもちろん、スタッフのみんなのことを思うと感謝の二文字しかない。

独立はいいこともあるが、やはり命がけで決意、実行するしかない。
誰にも頼らず本人の意思で。